SPFとPAは、それぞれ別の波長を測った数字
日やけ止めに並ぶ二つの数字は、業界の自主基準で決まっています。SPFは50を超えると「50+」に丸められ、PAは測った値を四つの段に当てはめて「+」の数にします。
もとになった資料
- 資料
- 日本化粧品工業連合会「紫外線防止効果測定法基準の改定とそれに伴う『PA++++』表示の追加」(2012年11月14日)
- 写した日
- 立場
- 体づくり・美容の資格も実務経験もない書き手が、原文を写しています
04 / 08 表示を読む
写真:Sunblock (2875470332).jpg / Axel Kristinsson / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)
日やけ止めの容器には、たいてい二つの数字が並んでいます。SPFという数字と、PAという「+」の並びです。
どちらも法律が決めた表示ではありません。業界団体が自主基準として定め、測り方は国際規格に合わせてあります。
二つの数字は、別の波長を指している
日本化粧品工業連合会が2012年11月14日に出した報道発表に、二つの言葉の説明が書かれています。どちらも略語です。
SPFはSun Protection Factorの略で、紫外線による日やけの防止効果を表します。主として紫外線B波の防止効果を表すとされています。
B波の波長は、同じ資料では280から320ナノメートル程度と書かれています。数値が大きくなるほど防止効果が高くなる、という関係です。
PAはProtection Grade of UVAの略で、紫外線A波の防止効果を表します。A波の波長は320から400ナノメートル程度とされています。
つまり二つの数字は、同じものを別の細かさで測ったのではありません。それぞれ別の波長帯を見ています。
A波だけを防いでも紫外線防止用化粧品にはなりえない、という理由から、PAを書くときはSPFと合わせて書かなければならないとされています。
PAの「+」は、四つの段に当てはめた結果
PAの表示は、測った値をそのまま書くものではありません。UVAPFという値を出し、それを四つの段に当てはめて「+」の数に置き換えます。
基準には、UVAPFが2以上4未満ならPA+、4以上8未満ならPA++、8以上16未満ならPA+++、16以上ならPA++++と書かれています。
段の境目は、2・4・8・16と倍々に並んでいます。「+」が一つ増えることと、防止効果が二倍になることが、この基準の上では重なっています。
四段目のPA++++は、2013年1月1日から書けるようになったものです。それ以前の最高はPA+++でした。
追加の理由は、測り方が変わったことにあります。国際規格のISO24442が採り入れられ、防止効果の高い製品をより細かく分けられるようになりました。
SPFが50で止まる理由
SPFの算出方法も、同じ資料に書かれています。ISO24444に基づいて測り、得られた値の小数点以下を切り捨てた整数で表します。
そのうえで上限の決まりがあります。SPFが50以上で、95%信頼限界の下限値が51.0以上の場合はSPF50+とし、下限値が51.0に満たない場合はSPF50とします。
「50+」は、51や52といった具体的な数字の代わりに置かれた記号です。測った値が大きくても、表示はここで止まります。
この決まりが入った背景として、報道発表は、紫外線の強い地域や紫外線に弱い人でも、SPF50程度あればB波による炎症を防げるという考え方に触れています。
自主基準の発効日も明記されています。SPF測定法基準の2011年改定版は平成23年10月5日、UVA防止効果測定法基準の2012年改定版は平成25年1月1日からです。
自主基準には、長い経緯があります。粧工連は1992年1月にSPF測定法基準を定め、国内の測り方と表示のしかたを統一しました。
紫外線A波については、1995年11月にUVA防止効果測定法基準を定めています。報道発表は、これを世界に先がけた測定法だったとしています。
その後2006年にISOの技術委員会へ作業部会ができ、2010年11月にSPF、2011年12月にUVAの測定法が国際規格として制定されました。
ここで一つ、よくある読み違いに触れておきます。SPFの数字は、日やけするまでの時間が何倍に延びるかを表したものとして語られることがあります。
けれども基準の文に、時間についての記述はありません。書かれているのは、ISO24444に基づいて測った値を整数にする、という手順だけです。
なお日本化粧品工業連合会は、その後に名称が日本化粧品工業会へ変わっています。基準そのものは、同じ団体のサイトで公開されています。
容器の数字を読むときに効くのは、二つの前提です。数字は別々の波長についてのものであり、どちらも決められた塗り方で測った結果だということです。
日本化粧品工業連合会 自主基準(2011/2012年改定版)